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vol.35群馬県では断熱等級7は必要か?
数字ではなく、地域と設計で考える家づくり。
GX補助金と性能バランスで考える、賢い性能設計とは?
ここ数年、住宅性能を示す「断熱等級」という言葉は住宅業界の中でも重要なキーワードになっています。
特に「断熱等級7」は、HEAT20/G3クラスに相当する高断熱レベルで、多くの住宅会社で注目されています。
しかし補助金を絡めて考えると「ただ数字を追いかけるのではなく、地域性と設計のバランスで考えるべき」という結論が見えてきます。
では本当に群馬で断熱等級7は必須なのでしょうか?
今回は群馬という地域性と、最新のGX補助金制度を踏まえてお伝えします。
まず、断熱等級7とは
断熱等級7は現行制度で最も高い断熱性能水準です。
HEAT20/G3クラスに近い水準で、北海道基準のレベルの高断熱住宅を指します。
・外壁の厚い断熱層
・トリプルガラス
・熱損失を極限まで抑える設計
非常に高性能であることは間違いありません。
最新のGX補助金とは
GX補助金は、国が進める"脱炭素化""省エネ性能の向上""環境負荷低減住宅"という観点から創設された補助制度です。
高い省エネ性能住宅に対して補助が出るため、設計者・顧客どちらにも注目されています。
(※制度内容は年度ごとに改正されるため、申請時点の公募要項をご確認ください。)
等級7とGX補助金
GX補助金の多くは、"高断熱化""高気密化""高効率設備の導入"を要件にしています。
とくにUa値や一次エネルギー消費量といった数値基準が評価ポイントになっています。
そのため、「断熱等級7を取得することで、補助金要件を満たしやすい」という側面があります。
では、補助金を受けるには等級7が必須なのか…
結論、必ずしもそうではありません。
① 群馬は日射取得がカギになる地域
群馬は冬場の晴天率が高く、日射を活かしやすい特徴があります。
設計で南面の日射を取り込み、冬暖かくすることで、等級6でも高い快適性の実現が可能です。
補助金要件が「断熱性能+日射取得効果+設備構成」で評価される場合は、設計の総合力でクリアできる可能性があります。
② 補助金評価は"設計の総合力"
GX補助金では単純に等級だけではなく、
・一次エネルギー消費量
・光熱費シミュレーション
・断熱、通風、日射の設計根拠
を総合的に評価する仕組みもあります。
その場合、等級7にするよりも開口部配置、日射隠蔽、冷暖房効率の高い計画の方が評価ポイントになることもあります。
③ コストと補助金のバランス
もちろん等級7は性能として強いですが、断熱材増量やトリプルガラスの導入など、初期コストを押し上げます。
この結果、補助金で得たメリットが消えてしまってはもったいない。
重要なのは、「補助金を得ること」ではなく【補助金を活かすこと】です。
群馬の気候特性を考えるべき"性能設計"
群馬は特殊です。
・冬は寒い(からっ風)
・晴天率が高く、日射取得がしやすい
・夏は非常に暑い
つまり寒冷地でもあり、日射に恵まれた地域でもあります。
これらを設計の段階で整えることが必要です。
断熱等級7はひとつの手段であり、補助金要件を満たすための一つの手段でもありますが、この特性を無視して「とにかく数値を上げる」ことが最適とは限りません。
等級7がいる場合
・日射取得が難しい敷地
・北側道路で南が閉じている
・日当たりが期待できない都市型敷地
・寒冷地
・全館空調前提の計画
こういった条件では、等級7レベルの断熱性能が大きな武器になります。
では、いらない場合は?
南面からしっかり日射取得ができる群馬の敷地では、
"庇設計""窓配置""パッシブ設計""適切な断熱等級6レベル"
これらを丁寧に行えば、体感的な快適性は十分に確保できます。
むしろ重要なのは、断熱性能のバランス、気密施工の精度、日射取得と遮蔽、冷暖房計画です。
数字は目的ではなく手段
断熱等級7は素晴らしい性能です。
しかし、「7だから快適」「6だから劣る」という単純な話ではありません。
群馬のように日射を活かせる地域では、設計力次第で等級6でも非常に高い快適性を実現できます。
だからこそ私たちは数字だけ追うのではなく、住まい全体の性能で補助金を活かす設計を考えることを大切にしています。
最後に
群馬で断熱等級7は必要な「場合もあるが、常に正解ではない」
重要なのは、
・地域性を理解すること
・日射を活かすこと
・設計で整えること
そして、「性能は足し算ではなく、バランスで決まる」という視点です。
COLUMN住活のお悩みを解決!
理想の住まいのためのポイントを
わかりやすく解説します
vol.01蒸し暑い夏を快適に過ごすには?
おすすめの対策法5選
vol.02質の良い睡眠のための寝室空間づくり
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お家の中の温度差をなくそう
vol.04魔法瓶のように
保温に優れた家づくり
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vol.10多くの方から需要のある和室。
さまざまな用途別の事例を交えてご紹介します。
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vol.24移住支援金事業制度について
vol.25こどもエコすまい支援事業
vol.26オール電化について
vol.27V2Hについて
vol.28コンセントはどれだけ必要?
vol.29エコキュートとエコジョーズ
vol.30断熱等級とは?Ua値って?
vol.31床材、どう選ぶ?
vol.32地震に強い家づくり
vol.33高気密住宅の負圧問題