COLUMN住活のお悩み解決コラム
vol.37断熱性能の「体感価値」について
―数字だけでは分からない、暮らしの変化―
「断熱性能が高い家」と聞くと、「冬は暖かく、夏は涼しい家」というイメージを持つ方が多いと思います。
住宅性能を表す指標として、現在では「断熱等性能等級」が広く知られるようになりました。
等級5、等級6、そして最高等級である等級7。
しかし、家づくりで本当に大切なのは、その数字が暮らしの中でどんな価値に代わるのか?ということではないでしょうか。
断熱性能は、単に「家を暖かくするための性能」ではありません。
光熱費、温度差、結露、そして家族の健康や日々の快適さ。
大切なのは、その性能が実際の暮らしにどうつながるかです。
断熱等級とは
断熱等性能等級とは、住宅の「外皮」の断熱性能を評価する国の基準です。
数字が大きくなると住宅から熱が逃げにくく、外気の影響を受けにくい住宅になります。
現在の新築住宅では、等級4が最低基準となり、等級5・6・7と高性能化が進んでいます。
ただし、「等級が高ければ高いほど必ず暮らしが豊かになる」という単純な話ではありません。
大切なのは、その地域の気候や敷地条件、窓の配置、日射の配置、日射の入り方、気密性能、冷暖房計画などを含めて、住宅全体をバランスよく設計することです。
断熱性能が高いと、まず「温度差」が変わる
断熱性能の高い住宅では、外の暑さ・寒さの影響を受けにくくなります。
よって、断熱性能の違いを最も体感しやすいのが、家の中の温度差です。
断熱性能と気密性能を適切に確保した家では室内の熱が逃げにくくなるため、冬に、「リビングは暖かいけれど、廊下は寒い」「暖房を切ると一気に部屋が冷える」夏に、「1階は涼しいけれど2階が暑い」といった温度差を抑えやすくなり、家全体を快適な温度に保ちやすくなります。
これは、単なる暖かさだけではありません。
「家の中で場所を移動したときのストレスが減る」
この「温度差の少なさ」こそ、断熱等級が生み出す大きな体感価値の一つです。
群馬の家づくりだからこそ、「断熱×設計」が重要
群馬は、夏は暑く、冬は冷え込む地域です。
さらに冬には「からっ風」と呼ばれる強い季節風が吹き、昼夜の寒暖差も大きくなります。
つまり、群馬の住宅は、「冬の寒さ」と「夏の暑さ」の両方に対応する必要があります。
よって、断熱・気密・窓・日射取得・日射遮蔽を総合的に考えることが重要です。
冬は太陽の熱を取り込み、夏は強い日射を遮る。
そして、断熱性能によって室内の快適な温度を逃がさない。
そのためには、断熱材だけでなく、窓・屋根・壁・床など住宅全体の断熱性能を整えることが重要です。
自然の力を利用しながら、断熱性能でその効果を逃がさない。
地域の気候を活かした設計によって、同じ断熱等級でも暮らしの質は変わります。
断熱性能は「ランニングコスト」にもつながる
断熱性能が高い住宅では、外気の影響を受けにくくなりため、冷暖房によってつくった熱や冷気を外に逃がしにくくなります。
そのため、冷暖房の負荷を抑えやすく、長期的なランニングコストの削減にもつながります。
例えば、同じ室温を目指す場合でも、
“一度温めた部屋がすぐ冷えてしまう家”と“温めた熱を長く保てる家”では、必要となるエネルギーが変わってきます。
もちろん実際の光熱費は、住宅性能だけでなく、
・家族構成
・延床面積
・冷暖房の設定温度
・在宅時間
・電気料金
・太陽光発電の有無
などによって変わります。
もちろん実際の光熱費は、家族構成や暮らし方、設備、電気料金などによって変わります。
だからこそ「断熱等級○なら○○円」と単純に考えるのではなく、長く暮らすことを前提に、できるだけエネルギーを使わずに快適に暮らせる家を設計する。という視点が重要です。
結果として、冷暖房の負荷を小さくできる可能性があります。
断熱性能は「健康」とも関係する
断熱性能を考えるとき、光熱費と並んで注目したいのが室温と健康の関係です。
冬の住宅では、暖房している部屋と廊下・脱衣室などの温度差が大きくなることがあります。
特に入浴前後など、暖かい場所から寒い場所へ移動すると、身体に大きな温度差が生じ、負荷がかかります。
高断熱住宅では、家全体の温度を安定させやすくなるため、「寒い場所をできるだけ作らない」という住環境を目指すことができます。
また、窓や壁の表面温度が下がりにくくなることで、カビやダニの発生につながる要因である結露の発生を抑えることにもつながります。
断熱性能を高めることは「暖かさを適切に保つこと」だけではなく、結露リスクを抑え、家族がより健やかに暮らすための室内環境をつくることにも関係しています。
「断熱等級」だけでは測れないもの
ここで大切にしたいのが、“断熱性能=断熱等級だけではない”ということです。
例えば、同じ断熱等級の住宅でも、
・どの方向に窓を設けるのか
・南側から冬の日射をどれだけ取り込むのか
・夏の日射をどう遮るのか
・気密性能はどのように計画するか
・家の形や間取りはどうするのか
という様々なやり方によって、実際の暮らしやすさは変わります。
だからこそ私たちは、数字だけを追いかけるのではなく、その性能をどう暮らしに変えるかを大切にしています。
等級6?それとも等級7?
近年では「断熱等級7」を目指す住宅会社も増えています。
もちろん断熱等級7は非常に高い断熱性能を持つ住宅です。
しかし、すべての住宅にとって等級7だけが正解とは限りません。
特に群馬では、冬の日射を上手に取り込める敷地も多く、夏には強い日射を遮る必要があります。
そのため、
断熱性能+気密性能+日射性能+日射遮蔽+窓計画
を総合的に考えることが重要です。
「最高等級だからいい」という考え方ではなく、“その土地、その家族、その暮らし方にとって、どんな性能が最適なのか。”
それを考えることが、設計の役割だと私たちは考えています。
断熱性能は「数字」から「体感」へ
断熱性能の価値は、完成した家を見ただけではわかりません。
ですが、暮らし始めると、「朝の寒さが違う」「廊下に出ても寒くない」「エアコンをつける時間が短くなった」「夏の2階が以前より暑くない」「窓の結露が少ない」こうした小さな違いとして感じる日々の実感こそが、断熱性能の価値です。
そして、その小さな違いが、10年、20年、30年と積み重なっていきます。
「高性能」だけではなく、「体感できる性能」へ
これからの住宅に求められるのは、数字そのものが目的ではありません。
必要な性能を、必要な場所に。
そして、地域の自然条件を活かしながら、できるだけ少ないエネルギーで快適に暮らせること。
それこそが、これからの家づくりにおける“性能”なんだと私たちは考えています。
断熱等級という数字の先にある、「暖かい」「涼しい」「光熱費が抑えやすい」「健康的」「ストレスが少ない」という暮らしの価値。
私たちはそんな群馬の気候と暮らしに合わせて実際に“体感できる性能”を大切にした家づくりをしています。
TREND家づくりの今がわかる!
住宅のトレンドや取り入れられている
最新技術をご紹介します
vol.01あなたのお家のエコ度はいくつ?
省エネ性能がわかる「BELS」マークに注目!!
vol.02これからのすまいのカタチ-ZEH-
断熱+省エネ+創エネで地球にも家計にもエコな家づくり
vol.03高気密化で快適×お得な家づくり
vol.04簡単なことからできる防火対策
vol.05ランドリースペース導入でらくらく室内干し
vol.06ご家族のライフスタイルに合わせた土間収納
vol.07共働き・子育て世帯に人気の
家事ラク動線
vol.082nd Lifeのためのコンパクトハウス
vol.09冬の大敵?!「結露」
vol.10つらい花粉の季節を乗り越えるために…
vol.11健康にしてくれる家
vol.12リノベーション
vol.13カーテン
vol.14土地選びのポイント
vol.15デザイントレンド
vol.16浴室
vol.17水廻りのお手入れ-キッチン編-
vol.18夏の暑さに負けない家づくり
vol.19ワークスペース
vol.20Design House2020 Part1
vol.21Design House2020 Part2
vol.22グリーン住宅ポイント
vol.232022年度改正住宅ローン減税について
vol.24結露のメカニズム
vol.25先進的窓リノベ事業
vol.26木の特性
vol.27気密と換気
vol.28子育てエコホーム支援事業について
vol.29家族とのコミュニケーションが増える間取りポイント
vol.30照明器具の選び方
vol.31子育てグリーン住宅支援事業